まずは幹細胞培養の基本を確認しておこう

幹細胞の特徴と幹細胞の抽出

幹細胞は、細胞分裂を繰り返して自分と同じ細胞を作り出す自己複製能力があります。
さらに幹細胞は違う種類の細胞に変化することが可能で、脂肪や皮膚に生まれ変わるのです。
これらを再生医療と呼び、乳房再生やひざ関節治療、美容皮膚科の分野で治療や研究が進められています。
幹細胞を使った治療では幹細胞の基本的な能力を用いるのが特徴です。
幹細胞を培養するには、幹細胞を取り出す必要があります。
幹細胞は患者自身の皮膚や脂肪などに含まれており、メスや専用の細い針で幹細胞と血液を抽出します。
自分の幹細胞を使うメリットはもともと体内にあった細胞のため、アレルギー反応が出にくいことや整形美容と異なり、ゆっくりと変化をしていくため人に気づかれにくいことです。
しわやたるみなどを一時的に改善する治療や整形美容はありますが、幹細胞治療は、肌細胞そのものにアプローチするため根本的に改善に導く方法として注目が集まります。

基本的な幹細胞培養の方法

幹細胞を培養するには、厚生労働省から許可を得ている特定細胞加工物製造事業者の専門施設で、専門の細胞培士が行います。
無菌環境の加工施設は、空調、温度に配慮されており、採取した幹細胞が安全に管理、培養できる環境です。
他の検体からの取違いや汚染を防ぐために培養ができる施設は限られています。
培養は、シャレーの上でいくつもの工程を得て、1週間程度の時間をかけて培養を行うのが通常です。
取り出した幹細胞は少ないものの、培養の過程で何千〜1万倍に増えるのが特徴です。
培養されたさ幹細胞は皮膚などに移植される他、幹細胞培養上清液を使った化粧品なども販売されています。
幹細胞培養上清液には、培養した時に得られる分泌液で、たんぱく質、成長因子など肌の成長に欠かせない有効成分が含まれています。
再生医療である幹細胞移植は高額な治療ですが、幹細胞培養上清液を使った治療はリーズナブルな価格で受けられるため人気です。

まとめ

幹細胞治療は、自分の幹細胞を抽出して培養し治療したい場所に移植することで傷を治したり、肌トラブルを改善する再生医療です。
幹細胞の培養の基本は、専門の特定細胞加工物製造事業者の専門施設で数千倍までに数を増やします。
増えた幹細胞は、移植に使うほか培養でできた幹細胞培養上清液を使った治療も行われています。
幹細胞を使う治療は、アレルギーや副作用の心配がないことから、さまざまな医療分野で治療が進む安全な方法です。